★ロバート・グッドマン
ビジネスの基本とは、人間を知ることだといいます。
不動産業界で独り立ちすること。
それがずっと夢だったロバート・グッドマン。
父親が不動産ブローカーで、小さいころ父の車に乗って開発中のプロジェクトを見て回ったのがきっかけで、彼は高校時代から、この商売の将来性を見抜いていたそうです。
大学に入ったものの「不動産ビジネスについて学ぶものがない」と見るや、さっさと退学、父親の会社のあるトロント(カナダ)に戻ってしまいました。
アリやシロアリを釣るための草の茎にはじまり、
アリ塚を掘り返す掘り棒、
堅い木の実を割るための石や太い枝のハンマー、
木のくぼみのなかの雨水を吸い取る
木の葉のスプーンやスポンジなど、
道具の種類も用途も多種多様である。
しかも、道具と対象物のセットは地域によりはっきりと分かれていた。
ある地域ではシロアリの塚があっても
シロアリ釣りや塚の掘り返しがまったくないし、
別の地域ではアブラヤシと石がそろっていても
木の実割りなどの行動がまったくないのである。
チンパンジーの能力に地方差があるためとは考えにくい。
相互に行き来のない独立した地域集団で、
ばらばらに発生した行動が固定した結果、
使う道具も用途も集団ごとに別々なものになったと見たほうがいいだろう。
チンパンジーの地域集団には独自の「文化」が存在していて、
世代をこえて伝承されているのである。
道具をつくり、使うことは、
人間を他の動物から区別する条件の一つと考えられてきた。
しかし、一九六〇年になって、
これをくつがえす事実が野生チンパンジーで発見された。
タンザニアのゴンベ国立公園でチンパンジーの群れを調査していた
J・グドール博士は、デイビッドという名のチンパンジーが、
シロアリの塚に細長い草の茎を差し込み、
シロアリを釣り上げては食べる現場を発見した。
チンパンジーの野外での道具使用が初めて観察されたのである。
しかも、この「釣り竿」の材料は、
塚に行く途中や塚の周辺で吟味して選ばれ、
必要な場合は加工されて、
先端がほつれたり曲がったりすると噛み切られる。
チンパンジーは道具の材料と差し込む穴の大きさや
シロアリの大きさとの関係をよく理解していて、
特定の目的に合うようにものを加工するのである。
道具使用は、その後も各地で発見された。
これまで実にさまざまな霊長類が進化し、繁栄した。
体重が数百グラムのピグミーマーモセットから、
二〇〇キログラムの巨漢のゴリラまで、体格はいろいろだし、
食べ物も昆虫食や果実食、葉食まであり、
チンパンジーのような類人猿の場合は、肉食をすることもある。
樹上での運動様式も、四足歩行だけでなく、
枝から枝へ飛び移る、腕だけでぶら下がり枝わたりする、
尾だけでぶら下がるなどさまざまである。
しかし、何といっても顕著なのは、群れの社会構造の多様性である。
単独型、ペア型、一夫多妻型、一妻多夫型、
乱婚型の複雄複雌群などの婚姻形態があり、
また、その群れは離合集散するなど柔軟性に富んでいる。
社会関係が複雑になったことにともなって、
かれらの認知能力も発達し、脳はさらに大型化していく。
体重の数%にも及ぶ大きな脳が霊長類の次なる進化、
すなわち人類進化を導くカギとなったのである。
人類にもっとも近い動物、サル。
サル山などで見るサルはこっけいで愛嬌のある動物だが、
山のなかでかれらに出会うと
優雅に堂々と枝を渡り歩く姿に眼を見張らされる。
うっそうとした森はサルのふるさとであり、繁栄の舞台である。
人問をも含めたサルの仲間、
霊長類こそは哺乳類で初めて森を有効に利用することができた開拓者なのだ。
霊長類の誕生は、今から五〇〇〇万年前にさかのぼる。
森のなかで細々と暮らしていた原始的な食虫類(現在のモグラの仲間)から霊長類は生まれた。
森の樹上は哺乳類にとって魅力的な場所でありながら、
手つかずのまま残っていた。
霊長類は樹上生活に適した性質を発達させて、
豊かな森をうまく利用することに成功した。